精米作業の“ネック”と価格への影響

このような精米作業は通常、卸売業者が行ってきましたが、今回は卸売業者を飛ばして小売りに直接行くルートも検討されています。しかし、すべての小売り業者がこれらの作業をできるわけではありません。

どこがこの精米作業などを請け負うのかは、まだ分かりませんが、有力なのは大量の玄米をさばくことができる精米機を持っている卸売業者です。政府から“時間がかかるから”と一気に中抜きして小売りにいきましたが、精米できないとなると卸売業者に戻っていくそうなんです。

以前取材した岐阜市にあるギフライスは、2つの企業から備蓄米の精米の委託を受けているそうです。通常このルートなら精米するわけですが、今度は小売りから、精米してくださいという委託を受けているということで、早いのか遅いのか、よくわからない展開にもなっています。

コメを買う立場からすると、価格がどうなるかが最大の関心事です。最新の情報では、スーパーの小売り価格は5キロで4285円となっています。これはおそらく短期的にはちょっと下がるのではないかという見立ての方が多いです。というのも、これまで落札されたものの、市場に出回っていない江藤前大臣時代の備蓄米が9割ぐらい残っているんです。その9割が今度出てきます。そのためここでちょっと下がる可能性があります。つまり、これから少し下がりますが、下がったとしてもそれは小泉大臣効果ではないということなのです。

実際に小泉大臣の備蓄米も出回ったら、もっと安くなるかもしれませんが、長期的に見ると銘柄米などの在庫はもうほとんどないということが言えるので、その意味では、価格は下がらないとの予測が立ちます。実際に今後どうなっていくのか関係者も注目しております。