砂が取り持つ友好の輪が大阪・関西万博で大きく広がっています。
砂同盟、「サンド・アライアンス」を鳥取県と結んだ中東のヨルダンが実際に砂丘を見にやってきました。
更に加盟国を広げるのに強力な助っ人も現れました。
鳥取砂丘にきのう到着したのは大阪・関西万博のヨルダン館で政府代表代行を務めるシファさんら、平井知事が大歓迎し笑顔が広がりました。
ヨルダン館 シファ政府代表代行
「鳥取県と素晴らしいこれからのフレンドシップをもっと、色んなチャンスでできますように、がんばりましょう。」
出会って間もない鳥取県とヨルダン、フレンドシップが深まっています。
ヨルダンの砂漠「ワディ・ラム」から赤い砂を運び込んで展示している万博のヨルダン館は、砂丘の砂を出展する鳥取県と似ていると話題になり、何の縁もなかった両者が先月同盟を結ぶに至りました。
雄大な景色が広がる砂丘に感激した様子のシファさん、予定にはありませんでしたが高台の馬の背まで登り始めました。
万博会場から近いこともありますが、同盟を結んでわずか1カ月で砂丘まで足を運んでくれました。
鳥取県 平井伸治 知事
「やっぱり早いですよね、砂だけにSOONERだと思いますけど。いわば氷が解けるように、国と国とが融合しあうことができるエキスポという瞬間を、私たちは生きているわけでありまして、大切にしていきたいなと思います。」
馬の背の頂上では日本海から吹く風を受けながらヨガのポーズ。
ヨルダン館 シファ政府代表代行
「本当に素晴らしい経験でした。楽しかったです。砂を登って素晴らしいサプライズが待っていたんですね、海、JAPAN SEAを見て、とても素晴らしい空気でした。」
ヨルダンから贈られたワディ・ラムの赤い砂は砂丘のビジターセンターで展示も始まり、砂が交流の懸け橋に発展しました。
連日大盛況の大阪・関西万博、みなさん、この方をご存じでしょうか。
"万博おばあちゃん"山田外美代さん
「ありがとうございます。私のたった一言の、砂でつながったらという言葉に、鳥取県が賛同していただいて。」
山田外美代さんは76歳、2005年の愛知万博などいくつもの万博で
毎日入場したことから「万博おばあちゃん」と呼ばれ、世界各地の万博で活躍しています。
サンド・アライアンス結成も万博おばあちゃんのアドバイスがきっかけのひとつで、同盟を更に広げるために力を貸してくれることになりました。
鳥取県の若手職員とともに向かったのはウズベキスタン館。
中央アジアのウズベキスタンは国土の8割が砂漠で、かつて東西を結んだシルクロードで知られます。
万博のウズベキスタン館は「知の庭」をテーマに掲げ、木製の柱が林立する屋上の庭園は砂漠のオアシスのようにも、神殿のようにも見えます。
万博おばあちゃんが橋渡し役となり、砂漠の国土の未来像を展示するウズベキスタン館に同盟への加盟を持ちかけました。
ちなみにこの壁は土や砂で塗った壁です。
ウズベキスタン館 田中涼子副館長
「お誘いありがとうございます。本国の方とも相談して、前向きに検討させて頂きたいと思います。」
万博おばあちゃんが続いて案内したのはインド館。おばあちゃんと総支配人は既に顔見知りです。
インド館の話題のひとつは砂のアート、砂の上のパチンコ玉のような玉が磁石の仕掛けでゆっくり転がり、砂に絵や模様を描き出します。
ここでも鳥取県の若手職員が同盟への加盟を働き掛け、プレゼントまでもらいました。
自分が持つ各国とのつながりをサンド・アライアンス拡大を目指す鳥取県のために役立て、導いてくれる万博おばあちゃん、鳥取県はサプライズとして「サンドおばあちゃん」に任命し、タスキを贈りました。
万博おばあちゃんから「サンドおばあちゃん」に 山田外美代さん
「全ての砂にアライアンスを結び付けて下さった鳥取県にまず感謝しながら、これから砂を見たら必ずここ2025年を思い出すような行動をしたいと思っています。」
サンド・アライアンス加盟国は今のところヨルダンとサウジアラビアの2カ国、思いもかけない速さで一気に友好の輪が広がる万博で心強い助っ人も得て同盟は更に広がりそうです。
今万博でつながりができれば長く交流が続くことも期待される、千載一遇のチャンスが訪れています。