「婦人消防組」があった田結地区 訓練重ね被害を最小限に

 100年前の地震でも、準備していたことで被害を最小限に抑えた場所があります。城崎温泉から車で15分の豊岡市田結(たい)地区です。

 (田結地区 仲川進区長)「田結地区には(かつて)婦人消防組があって、男性が(仕事で)いない時でも女性が火事を消せるよう訓練をしていました」

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 この地区では明治時代に大きな火災を2度経験していたことから、訓練を重ねていました。そのため地震直後、すばやく火災の消火にあたってから、下敷きになった人を助け出したのです。その結果、亡くなったのは、即死の7人だけでした。

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 地震発生からちょうど100年を迎えた今年5月23日、田結地区では、早朝の神社に住民が集まっていました。犠牲者を鎮魂する「お千度参り」です。地震があった5月23日に毎年行っています。

 (田結地区 仲川進区長)「これからも亡くなられた方への慰霊と震災での出来事を語り続けていかなければならない。この日(5月23日)をきっかけに、防災について今一度、家族などと話し合い、どうすれば自分自身や家族が守れるか考えていただきたい」

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 (地区の住民)「『災害は忘れた頃にやってくる』と言いますが、災害が起きないよう祈っています」
 (地区の住民)「近々災害が来るんじゃないかと(危機感を)後継の方に伝えていき、毎年お千度参りをして無事を祈っていきたい」

 地元で静かに引き継がれてきた大地震の経験と教訓。より多くの人が知ることが、今後の被害を減らすことにつながっていきます。