長野市鬼無里の奥裾花自然園に続く林道で16日土砂崩落が発生し、園の休園が続いています。ミズバショウが見ごろを迎えるなか、地元の観光に大きな打撃となっています。
16日の午後4時ごろ、長野市鬼無里の林道。落石がガードレールにぶつかる激しい音が聞こえます。
異変に気付いたのは、自然園から戻る途中の市の職員でした。
長野市鬼無里支所・風間皓平さん:「道路上に小さい石とか転がっているのが分かったので片付けようかなと待機していた」
それから20分…。
土砂に加え、何本もの木が倒れてきましたが、間一髪のところで難を逃れました。
長野市鬼無里支所・風間皓平さん:「がらがらがらどーん!っていう、身の危険を感じましたね」

林道は、日本でも有数のミズバショウの群生地、奥裾花自然園に通じる唯一のルートです。
松井健悟記者リポート:「土砂崩落があった奥裾花自然園に通じる林道です。19日から土砂を撤去する作業が始まりましたが、復旧のめどは立っていません」
道路をふさぐ土砂はおよそ30メートル。撤去作業は進んでいるものの、根元から倒れた木々や大量の土砂が道をふさいだままでした。
こちらは今年の自然園の写真。冬に積雪が多く雪解けが遅れたことで今シーズンは去年より10日ほど遅く見ごろを迎えました。

鬼無里観光振興会事務局 奈良薫さん:「見ごろがちょっとだけ伸びていたので、多くのお客様に見ていただけるところの崩落でしたので、お客様に見ていただけなくて残念です」
当面、休園を余儀なくされることになり、トップシーズンを迎えた鬼無里の観光に大きな打撃となっています。
66年前、1969年に開園した奥裾花自然園。
81万本ともいわれるミズバショウを見ようと、毎年県の内外から多くの観光客が訪れています。
当時から園内で食堂を営む和田純夫さんにとっても本来なら、1年で最も忙しい時期です。

和田純夫さん:「こんな一番いいときに、こういう崩落ってのは運が悪かった。私たちだけじゃなくって、鬼無里全体が一年で一番にぎやかになる時期で」
長野市鬼無里支所によりますと、林道の復旧のめどは現時点で立っていません。
ミズバショウが、かれんに咲く今月中の復旧は厳しい見通しで、和田さんは、今シーズンの食堂の営業は諦めざるを得ないと話します。

和田純夫さん:「今シーズンはダメだって。私たちは生ものを置いてあるんだよ。取りに行けないんだよ。危なくって。だから今どうすればいいか悩んでいるところ」
関係者は早くも秋の観光シーズンもにらみ林道の復旧を心待ちにしています。
鬼無里観光振興会事務局 奈良薫さん:「秋の紅葉シーズンも鬼無里は打ち出しているので、それまでには復旧していただいて、大勢のお客様に来ていただきたいと思います」