80年前、アメリカ軍が落とした原爆で大破した浦上天主堂の鐘のひとつが、アメリカのカトリック信徒の手で復元され教会へ寄贈されました。被爆前に鳴り響いていた二つの鐘の音が、今年の8月9日、80年ぶりに復活します。

寄贈されたのは、原爆で大破した旧浦上天主堂の「鐘」。

写真などにもとづき、元と同じ大きさに復元された重さおよそ220キロの青銅製の鐘が、15日カトリック長崎大司教館で公開されました。

長崎大司教区・中村倫明大司教:
「アメリカのカトリックの皆様方が復元し寄贈して下さるということは、全世界にとって大きな意義があるものであると、そう考えました」

東洋一の大聖堂

                             長崎原爆資料館蔵

かつて「東洋一の大聖堂」と呼ばれていた浦上天主堂。
二つの塔には大小一対の鐘が吊るされ、記念日などには二つ同時に鳴らされていました。

信徒の7割が犠牲

しかし80年前、アメリカ軍が浦上上空に原子爆弾を投下。
浦上小教区に約1万2000人暮らしていた信徒のうち、約8500人が亡くなりました。

天主堂は破壊され、かろうじて残った北側の鐘楼も8月9日の夜轟音を立てて崩れ落ち、鐘は大破しました。

奇跡的にほぼ無傷で見つかった南側の鐘だけが、再建された鐘楼に吊り下げられ今も時を告げています。

米国ウィリアムズ大学 ジェームズ・L・ノーラン・ジュニア教授:
「まず第一に、私は『左の塔が空』だということさえ知らなかった」