氷河期世代の問題が深刻化 財源を負担するのは現役世代の可能性

もう1つ、就職氷河期世代の問題です。就職氷河期世代は約2000万人いるといわれています。数年後、その人たちが一斉に退職する時代がやってきます。この時代の人は非正規雇用が多いです。そのため国民年金の比率が高いんです。

国民年金は、ただでさえ財源が枯渇していると言われている中で、十分な年金を受け取れなくなります。そうすると、生活保護の受給者が増えることが想定されます。

生活保護は、どこから財源を持ってくるのかというと、現役世代が負担するということが考えられます。なので、どんどん厳しくなっていくだろうと…。

TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
具体的に言いますと、国民年金だけしかもらえない人は月5~6万円ぐらいになってしまいます。その金額で暮らしなさいというのは、都市部では到底無理です。地方でもなかなか厳しいと思います。

そうすると、その人たちは一斉に生活保護にシフトしてしまいますから、生活保護はこの国の税金で賄うということになりますので、今度、国はそちらの方に税負担が増えます。

そういう先のことを考えれば、今から就職氷河期世代に対して手当をして、最低保障年金8万円とか10万円ぐらいを保障できるようなシステムを、本当は構築しなければいけないんです。

国民年金が約6万円ならば+2万円や3万円を保障して、税負担も含めて、最低保障年金というシステムを早く考えてもらわないと、大変なことになるということだけはわかりましたね。

出水麻衣キャスター:
そういった議論はあるんですか。

TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
税金の社会保障の専門家の中では問題意識にあるのですが、それを言うと選挙に不利になるから口に出さないというのが現実ですね。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島出身
政治記者歴30年