
中小企業診断士 難波三郎 さん
「まずは、勇気をもって値上げしてみることです」
こう話すのは、飲食店専門の中小企業診断士、難波三郎さんです。これまで多くの飲食店に勤め、経営した経験を生かし、全国で「値上げ」に関する講演やアドバイスを行っています。

難波さんは、食料品の物価上昇の時期が、コロナ禍の収束期と重なったことで、中小飲食店の多くは客足が離れるのを恐れて「値上げに出遅れた」と分析しています。「値上げ」のヒントは、大手飲食チェーン店の戦略にあると言います。
中小企業診断士 難波三郎 さん
「大きな会社は、値上げするときに逆算から入る。仕入れ代が来年から、来月からこうなるから、この値段で売らないと合わないから、値上げしましょうとあげてきた。あんなに低価格だったはずのいろんな丼ぶりやハンバーガー、決して今そんなに安くないですよ。だからここ、今チャンスなんですよ。見習ってあげてしまえって話」
難波さんは、「値上げ方法に正解はない」とした上で、実際に飲食店が「値上げ」する際、注意すべきポイントを話しました。
まず「値上げ」は一気にせず、数回に分けて段階的に行う必要があるといいます。「値上げすると(客が)来る回数自体は減ります。で、10パーセント値上げして、お客さんが5パーセントしか減らなかったら、売り上げも利益も増えます。で、半年後もう一回あげてみる」
そのほか大手チェーン店などのように「高価格の商品」や「期間限定メニュー」をつくるのも効果が高いそうです。「牛丼店さんもハンバーガー店さんもそうですけど、どっこも1ヶ月か2ヶ月で商品クルクル変えるでしょアレをやるとお客が来る」