■「祖国を守ろうとしない弱虫」動員で“分裂”するロシア社会

プーチン大統領による部分動員をめぐり、9月26日、ロシア東部の徴兵事務所では こんな事件が…



若い男が銃を発砲。所長が銃撃された。拘束されたのは、地元の25歳の男。現地メディアによると、男の母親は「知人に招集令状が届いたことに本人は動揺していた」と話しているという。

動員を逃れ日本にやってきたロシア人男性は…

動員を逃れ来日したロシア人(20代)
「(部分的動員が発表されて)やはり絶望や辛い気持ちを感じています。動員で苦しんでいる人たちのことを思うと悲しいし、憂鬱になります」

膳場キャスター
「部分的動員が発表されてからロシア国内の空気は変わりましたか?」

動員を逃れ来日したロシア人(20代)
「部分的動員が発令され、私のように荷物をまとめて急いで国を出ようとする人もいれば、それに対して『悪い奴だ』『祖国を守ろうとしない弱虫だ』と非難する人もいます。部分的動員によって、ロシアの社会が、より分裂していることが明確になりました」

■「日本社会の一員になりたい」動員逃れた男性の生活と願いとは?


入居してまだ3日目だという部屋にはわずかな家具が。そして、“これ一つで来日した”というスーツケースもあった。

動員を逃れ来日したロシア人(20代)
「必要最低限の物しか持ってきていません。日本は何でも買えるから有り難いです」

留学ビザで来日し、語学学校に通い始めたという男性。
「パスポートを見せてほしい」と頼んだところ、ロシア当局を恐れ、日付などを隠す条件で見せてくれた。



動員を逃れ来日したロシア人(20代)
「パスポートのスタンプには、どれも日付が入っているので誰のものか分かってしまいます」

故郷を離れ、日本に到着するまで22日間。男性を支えたのは、この夏に結婚したばかりの妻との写真だった。妻からプレゼントされたという毛布で眠り、再会の日を待つという。


膳場キャスター
「なんと言って(毛布を)渡されたのですか?」

動員を逃れ来日したロシア人(20代)
「すみません…ちょっと待って下さい……どこの国でどんな家かは分からないけれど、再びこの毛布で、必ず一緒に寝るときが来ると信じていると妻が言ってくれました。特別軍事作戦が終わったとしても、自分の意見を言えない状況が続くと思います。家族や子供を持って、安心して安全な場所で暮らしたいし、働きたいです。私にとって日本はそういう国になると信じています。日本社会の一員になりたいです」