退職代行の”落とし穴”とは?

退職代行には、精神的負担を減らし、新しい一歩を踏み出す助けになるという大きなメリットがあります。一方で「つらいことは全部誰かに頼めばいい」という考え方が根付いてしまうと、将来に悪影響を及ぼす可能性もあると弁護士は指摘します。

河合誠弁護士:
「退職代行のメリットは自分で話ができないところに弁護士が介入することで、神経をすり減らしたり、新しいステップに踏み出せずに悶々とした日々を過ごしている方にとって、清算できる点だと思います。一方で、『嫌なことは弁護士に頼めばおさらばできる』という意識を持ってしまうおそれがあることは懸念点です」

「そういう気持ちになってしまうと、次のステップでも主体性が持てなくなってしまうおそれがあります。退職代行は、次のステップを頑張るための『手段のひとつ』です。サービスを提供する側としては依頼には全力で応えますし有難いですが、あくまで『手段のひとつ』と考えていただきたい。依頼をいただければ全力で対応しますが、あくまでも“人生の助走”として使っていただければと思います」

「人生の助走」としてのサービスが退職代行

■退職代行は法的にOK(ただし交渉できるのは弁護士だけ)
■「辞められない」「言えない」をサポートしてくれるサービス
■利用者は20代〜40代が中心。特に年度末に多い
■“人生を切り替えるための手段”として上手に使うのがコツ