取材を終えて

2005 年の事故当時、私は 5 歳でした。当時の記憶は実のところなく、取材や編集を進めていく中で当時の凄惨な現場の様子を見返し、胸が締め付けられる思いでした。

どうしても、20 年という数字に目が向いてしまいますが、ご遺族や負傷された方々にとっては何か節目があるわけではない、ということを、あらためて認識しました。ご遺族の中には、深い悲しみを抱えながらも、20 年が経ち、徐々に事実に向き合い、同じ悲しみを繰り返さないためにどう事故を継承していくべきか、前を向いて考える人の姿もありました。

4 月 25 日、現場に足を運んだ方々は、様々な思いを抱えていたと思います。その心の内を語ってくださった方々に、感謝を伝えたいです。お話や感じ取った事柄を胸に、記憶の継承のために記者としてできることはなにか、考えながらこれからも取材にあたりたいと思います。