『JAがコメの供給を控えれば、全体の供給量が増えない可能性』
そもそもコメの価格について、元農水官僚の山下一仁氏は「需要と供給で決まる」と強調。去年は猛暑などの影響で約40万tのコメが不足し(民間在庫より)、その結果、供給が追いつかず価格が上昇したということです。その点を踏まえ、山下氏は、備蓄米の放出後も価格が下がらない理由として、以下の内容を挙げています。
<備蓄米放出後も価格が下がらない理由>
▼備蓄米は特売品的な役割で、恩恵を受けるのは一部
▼JAがコメの供給を控えれば、全体の供給量が増えない可能性がある
つまり、備蓄米を放出したとしても、それ以外の(備蓄米以外の)コメの供給をJAが控えれば、全体の供給量は増えず価格は下がらないというのです。そして、農水省はJAのコメ全ての供給状況を把握・調査すべきで、その権限もある(食糧法)とコメント。さらに山下氏は「備蓄米は放出されたが、『1年後に政府が買い戻す』特約が付けられているため、市場の供給量は実質的に増えず価格は下がらない」とも指摘しています。
一方、JA全中の山野徹会長は4月10日、コメの価格について「高止まりは消費者離れを起こす。適正な価格形成を目指したい」というように述べています。