スーパーでのコメ平均価格は5kgで4220円(5月1日時点)。16週連続の値上がりで、最高値を更新しました。去年の同時期と比べると約2倍の水準で、今年の新米も高値がつけられると専門家は予測しています。
政府が備蓄米を放出したにもかかわらず、なぜ値上がりが続いているのか。農水省の元官僚でキヤノングローバル戦略研究所・研究主幹である山下一仁氏の見解などをまとめました。
「全体の2%」スーパーなどに渡った備蓄米
高騰が続くコメの価格。4月14日~20日のスーパーでのコメの平均価格は5kg・4220円となり、16週連続の値上がりで過去最高値を更新しました(農水省の資料より)。その間、備蓄米が2回、約21万t放出(JAが9割落札)されましたが、価格は下がっていません。農水省は「コメ価格高騰は流通の問題」だとしていて、これから3回目の放出(約10万t)が予定されています。
農水省によりますと、備蓄米の流通ルートは、「JAなどの集荷業者」→「卸売業者」→「スーパーなど」となっていて、4月13日までの状況では、放出された21万tのうち「卸売業者」に渡ったのが約2万t、全体の約10%しか行き届いていません。さらにスーパーなどに渡ったのは4179tで、全体のたった約2%。消費者のもとには、ほとんど届いていない状況です。
その理由に関して、JA全農は「配送トラックの手配がスムーズにできていない。精米に時間がかかっている」と説明しています。