竹下さんはさらに活用を進めるため、今月からクラウドファンディングを始めました。

県内の動物園などにシカ肉やペットフードを寄付しようと考えています。

竹下毅さん:「動物園はエサ代がかかって困っている。皆さんの支援をもとにシカ肉を飼料としてお渡しできれば、もっとシカの活用数も増える」

やってきたのは小諸市動物園です。

こちらでは、もともと、主にライオンのエサとして竹下さんからシカ肉を購入していました。


飼育員:「ナナ、肉、お肉見える?ほらほらお肉」

飼育員の石川美羽さんが獣舎の中にシカ肉をセッティングするとー。
ゆったりとした足取りで檻へと入ってきたライオンは、すぐさま肉をくわえ上げました。

こちらは23歳の雌ライオン「ナナ」。人間の年齢でいえば90歳以上のおばあちゃんです。普段は主に値段が安いトリ肉を与えています。

石川さん:「飼育員が食べやすい大きさに切り取ってあげるので、こういう大きいものを自分でかみちぎって食べるというのは普段と違うことをやることになるので刺激になって、あげるのはとてもいいこと」

数年前に病気で食が細くなり命も危ぶまれましたが、シカ肉は好んで食べたナナ。

できれば食べたいものを毎日でもあげたいといいますが、物価高騰で今はほとんど与えることができません。

その影響は飼料全体に及んでいて、エサ代は6年ほど前に比べると倍近くになっているのが現状です。

飼育員 萩原祐樹さん:「(物価高騰で)かなり痛手は(あります)。ほぼギリギリよりちょっと足りないぐらいの予算。動物園としてのクラウドファンディングもやっていてエサ代として寄付してもらう方や直接もってきてもらう方、そういうのを使ってなんとかやりくりしている」


こうした現状を打開したいと始めたクラウドファンディングでは、寄付をしてくれた人に竹下さんが作るペットフードやシカ肉のソーセージ、シカ革を使った名刺入れなどを返礼品として贈り、関わる人全員にとってメリットがある仕組みを作りました。

竹下毅さん:「長野県だけじゃなくて全国の自治体もシカの処理問題抱えている。どこの動物園や水族館もエサ代には苦労している。ここをモデルケースにして全国に広まっていけば持続可能な社会の貢献につながっていくんじゃないか」


クラウドファンディングは、ウェブサイトキャンプファイヤーで今月いっぱい受け付け、来月には県内4か所の動物園などに寄付を行うということです。