41市町村の魅力をお伝えする「わがまちLink41」。今回は、県内でも有数の
田芋(ターム)の産地として知られる金武町で、新しい風を吹かせている農家を紹介します。
高齢化と後継者不足による田芋産業の衰退が懸念されるなか、千葉県から沖縄に移住し田芋を後世に残そうと奮闘する女性がいます。
頭を悩ませながらも畑での栽培や廃棄される芋の煮汁の有効活用を試みる姿に迫りました。

沖縄本島のほぼ真ん中、東海岸に位置する金武町。並里地区にある金武大川などの井戸は、水道が普及するまでの間、人々の生活を支えてきました。
▼神里記者
「豊かな湧水が流れ出る金武町にやってきました。県内有数のタームの生産地として知られるここ金武町で、田芋産業に新たな風を吹かせている農家がいるということで、早速お話を伺いたいと思います」
金城真海さん24歳。この日、夫・貴興さんと共に行っていたのは、出荷前の最後の作業「芋炊き」。

約2時間煮ると、白から薄紫のターム色へ。酸化と変色を防ぎ、美味しい芋を見分けます。
千葉県出身の真海さん。人生を変えた田芋との出会いは約3年前。東京農業大学に在学中のことでした。
▼金城真海さん
「元々タロイモに興味があって勉強していくなかで田芋が仲間の一種であることを知って、先生が見せてくれたのが(宜野湾市)大山の写真」

実際に足を運び、目の当たりにしたのは都市化した風景でした。水田が一望できる場所を求め、たどり着いたのが金武町。
▼金城真海さん
「水田の中に里芋のような葉っぱが生えているのが海外みたいできれいだった。タロイモの調査をする予定だったけれど、田芋にひかれてしまって先生に田芋に特化した調査をやらせてほしいと」
卒業論文の現地調査を終えると共に、移住した真海さん。22歳の決断に迷いはありませんでした。
▼金城真海さん
「田芋に一目ぼれしたので、どうしても田芋の近くで仕事がしたいと思ったのと面白い、楽しいただそれだけ」