なぜ校内暴力は蔓延したか
校内暴力の背景には複数の要因があります。
まずはいわゆる「管理教育」でしょう。当時の中学校は厳格な校則や指導方針が主流であり、生徒に対して内申書による評価の圧力や、髪型や持ち物の検査などが日常的に行われていました。こうした統制的な教育に対する反発が、校内暴力の遠因であると言われました。
「七五三」とはなにか?
当時、教師の間では「七五三」という言葉が多く囁かれていました。
小学校卒業時には7割の子が授業を理解しているが、中学卒業時には5割、そして高校卒業時には3割になってしまうという意味です。そして、授業を理解できない、単に座っているだけの子は、やがて学校に嫌気がさし、暴れはじめたというのです。
この話がやがて「学校教育の内容が多すぎるのではないか」という疑問を生み、後のゆとり教育に繋がっていくわけですが、それはまた別の話です。
学校以外の要因も多数
さらに、当時の社会全体にも影響があったのかもしれません。高度経済成長も終わり、若者の将来に対する不安や閉塞感が漂っていたこと。また「猫」や「蠅」など暴走族・不良カルチャーがメディアで取り上げられ「不良であることがかっこいい」といった価値観が一部の若者の間に浸透したこと。こうした文化的影響も、校内暴力の一因となったと考えられています。














