■元2世信者「過去最低の会見」 2世信者20人が幹部クラス昇格
ホランキャスター:
過度な献金というのも被害として報告されていますが、2世信者の皆さんが「私達も2世として被害に遭いました」ということも最近はよく耳にしますよね。
ただ、もちろん2世信者として教団の中にいらっしゃる方々も多くいます。
20日、旧統一教会が行った会見の中で現役の2世信者が登場する場面がありました。
旧統一教会としては20人の2世信者を幹部クラスである教区長に昇格することを発表したのです。
これにはどんな意図があるのか。
会見を行った勅使河原本部長は「同じような悩みをいま抱えている2世信徒さんに対応するには彼らが最もふさわしいだろう。2世信徒の意見も彼らであれば吸収しやすい」と。
つまり、教団の中で不安や不満を抱えている2世信者の方がいたら、同じような境遇の2世信者が対応することによって、それを教団の中で吸収し、解決できるのではないかというようなスタンスのようです。

そして、この会見についていくつか声が入ってきています。
旧統一教会を長年取材するジャーナリスト 鈴木エイト氏
「従順な2世信者を教区長にもってきたのは問題のすり替え、パフォーマンスとしか思えない。苦しんでいる宗教2世たちの脱会したいなどの思いが伝わるとは到底思えない」
元2世信者 小川さゆり氏(仮名・ツイッターより)
「率直に過去最低の会見だと思います。被害者を盾にしている、なぜこのような発想になるのか」
怒りをご自身のSNSであらわにしている方もいらっしゃいました。
井上キャスター:
旧統一教会は会見するたびに異質性とか異常性が公になっている気がするんですが、やはりこの団体には反省する姿勢とか、あと自浄作用がないことを何か自ら証明しているようにも見えるんですが、どうご覧になってますか。
米イェール大学 成田悠輔 助教授:
多分統一教会の方はこれがある種のパフォーマンスとか対応になっていると思ってらっしゃるんだと思うんですよね。ただ、はたから見てるとあまり問題を解決しているようには全く見えないっていうことで、多分統一教会の内側から見た世界観と、それ以外の外から見た世界観というのがこれだけずれてるってのがはっきりした会見だったんじゃないかなと思いますね。
表面的な対応ではなくて、被害者の方の苦しみとか問題をどう具体的に解決するのかという、そちら側についての、もうちょっと中身に踏み込んだ対応を見てみたい。
井上キャスター:
あとは今、対旧統一教会という話になってますけれども、もう少し全体の流れを指摘する方もいて、宗教法人というものが今までアンタッチャブルになっていてお金の流れも全部見えない状況になっていた。そういう収支報告などを含めて抜本的に全体を見直す必要性を指摘するかと思いますが、そのあたりは成田さんはどう感じてますか。
米イェール大学 成田悠輔 助教授:
これを機会に統一教会だけにあまりにも議論が集中してきたというきらいがあると思うんです。ただ、その宗教と政治の関係、あるいは宗教とお金の関係、宗教と自由意思みたいなものの関係、これは統一教会以外の宗教でも多かった少なかれ出てくる問題だと思うので、この統一教会問題をきっかけにして、宗教全体を抱えている問題の中で何が良くないのかということをもう一度点検し直すという、いいきっかけになればいいんじゃないかなと思います。