「奇跡の川」と呼ばれる清流・銚子川。その透明度から称される美しい川と、それを育む緑豊かな山々が広がる三重県南部の紀北町。しかし、この自然豊かな町で深刻な問題が発生していました。

全国から運び込まれる 大量の"建設残土"

山沿いの細い道を進んだ先に姿を現した「土の山」。高さは約3メートル。

(紀北町 上里自治会 大和享二さん)
「何が始まっているんだろうという地域の不安がずっと続いている。元のきれいな状態に、すっきり戻していただきたい」

この土の山は、建築や土地開発に伴って発生する建設残土。紀北町では以前から問題となってきました。

港に入ってくる漁船ではない船。

紀北町には、10年以上前からこうして船で全国から大量の"建設残土"が運び込まれ、山の奥深くに作られた巨大な残土置き場に捨てられてきました。

町は2019年、残土の規制条例を作り、1000平方メートル以上に盛土を行う場合には事前の届け出が必要になりましたが、県外からの残土持ち込みを禁止するまでは踏み込めず、残土の搬入はいまも続いているのです。