愛媛の「麦みそ」はなぜ甘い? その秘密は原料の○○にあった!
取材にご協力いただいたのは、愛媛県松前町にある創業72年のみそメーカー『義農味噌』。「伊予のみそ」のブランドで知られ、県内でもトップクラスの生産量を誇っている。

まずは、製造部長の田中洋平さんとともに、麦みその製造工程を見ていくことに。
麦味噌の主な原料は「麦」「大豆」「塩」の3つ。
みそに使用する麦は蒸された後、「室(むろ)」と呼ばれる温度管理された部屋で、こうじ菌を吹き付けられ、「麦こうじ」として菌を活性化させていく。
続いての工程では、これらを混ぜ合わせたものが発酵用のコンテナに詰められていく。
この時の原料の比率が甘さのカギを握っているという。
製造部長・田中洋平さん
「愛媛の麦みそは麦の割合が非常に多い。麦はでんぷんからできているので、でんぷんが糖になって甘くなるという理屈」
こうじ菌を麦に植え付けた際に生まれる「酵素」が、麦のでんぷんを糖に変えることで、味噌に甘みが生まれるのだ。
加えて、他の地域でよく作られている「米みそ」は米こうじとみその割合が1:2であるのに対し、麦みそは20:1と麦こうじの量が圧倒的に多く、甘さを強める要因になっているという。