2024年度の人手不足による倒産は350件で、2年連続で過去最多を更新したことが帝国データンバンクの調べでわかりました。賃上げなどの機運が加速したことで転職者が増え、特に中小企業にとっての人材確保、定着は厳しい局面を迎えていて、帝国データバンクは適正な価格転嫁が進まなければ、今後も人手不足の倒産は高水準で進むことが見込まれるとしています。

帝国データバンクのよりますと、従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする負債1000万円以上の法的整理を伴う人手不足倒産は2024年度に350件であることが判明しました。

業種別では、建設業が前年度より17件多い111件で最も多く、全体の3割を占めています。

次いで多かったのは、物流業の42件で前年度より4件減ったものの、引き続き多くを占めています。

2024年4月に時間外労働の新たな上限規制が適用された「2024年問題」を受けて、人手不足倒産が引き続き高水準で続いているとみられます。

帝国データバンクは、大手が若手人材のさらなる採用強化に乗り出したことから「初任給30万円時代」とも呼ばれるようになったほか、政府が最低賃金を2020年代に全加重平均1500円へ引き上げると表明したことなどから賃上げ機運はさらに加速すると予想され、より良い待遇を目指して転職者数も増えているとしています。