「地域の人に元気がついてきよる」熱燗・豚まん・とろろ焼き…地元グルメで賑わう『夜市』
清水さんは今年3月、JR久下村駅前で、地元の県民局と協力し、賑わいを取り戻すためのイベントを開催しました。
(清水邦泰さん)「加古川線の利用促進を狙って、お客さんに来てもらう。みんなで集まって食べて飲んで話ができるのがいいなと」
電車の利用客を長期的に増やしていくには地元住民の意識も変える必要があると考えていて、近所の人でも電車に乗って気軽に参加できる「夜市」を開催するといいます。今回で3回目となる、この夜市。金曜日の夜、仕事終わりに来てもらえるようにと、日本酒やビールなどの酒類を充実させたり、電車で来た人には抽選で景品や値引き券をプレゼントしたりするなどの工夫をしています。
(清水邦泰さん)「先ほどまで雪もありましたけど、雪もとけましたし、太陽も出たので良かったなと。(来場者)1000人を超えたらいいなと」
午後4時半。いよいよ、夜市のスタートです。普段は数人しか降りてこない久下村駅ですが、この日は次々と人が降りてきます。この日の気温は約7℃。地元の酒造会社の熱燗や、丹波産・山の芋を使用したとろろ焼き、地元の栗を食べて育った豚を使った豚まんなど、地元グルメが来場者の体を温めます。
参加した地元の人は…
「とても良いことだと思う。こういうのを機会に、子どもたちも(電車に)乗るいい機会になる」
「(孫は)うちに来てはこの電車に乗って、1歳の時から『線路は続くよどこまでも』を歌って拍手をもらっていた。大好きなんですよ、電車が」
「(地元が)生き返るような機会。地域の人に元気がついてきよる」
駅前は多くの人の笑顔と団らんで温かい空気に包まれました。
(あいさつする清水邦泰さん)「たくさんの方にお越しいただき、大変感謝しています。一人一人の力で、こんなに大きな夜市をすることができました。本当にありがとうございました」
午後8時すぎ。ほろ酔いの来場者たちを乗せた電車が久下村駅を後にしました。この日の来場者は、目標を超える1115人。普段は1日に数人しか乗車しない駅を、夜市の時間だけで186人が利用しました。
(清水邦泰さん)「加古川線を存続させなければいけないという気持ちを持っていないと、いつなくなるかも分からないので。みんなも慣れてくると、より盛り上げ方も変わってきますし。あくまでも夜市はきっかけづくり。続けていきたいと思います」
万博期間中に与えられたチャンスと課題。地元住民はまだまだ挑戦を続けます。