「これはえらいことになる」廃線を危惧する沿線地域…レンタサイクルで観光客を呼び込む作戦
丹波市内の久下自治振興会で会長を務める清水邦泰さん(72)は、このままでは廃線になってしまうのではないかと危惧しています。
(久下自治振興会 清水邦泰さん)「これはえらいことになるということで、地域が盛り上がっていかないといけないという話に」
いわゆる“赤字路線”の区間がまたがる丹波市・西脇市の人口はこの20年で計約1万8000人減少。住民の3割以上が65歳以上の高齢者です。
(清水邦泰さん)「高齢化になって車の運転が不安になってくる人も多い。できるだけ鉄道は残したい。何もなくなってしまうのはさみしいということもあります」
実は、清水さんは、電車を利用して地元を訪れる観光客を増やそうと、半年前から“ある取り組み”を始めていました。折り畳み式自転車を貸し出し、サイクリングしてもらおうというものです。
(清水邦泰さん)「加古川線で(ここまで来て)いろいろなところに自転車で行って、帰りは電車に乗せて帰ってきてもらうと楽なんです」
常勝寺(最寄り駅:久下村駅)など、周辺には四季を楽しめる名所や旧跡が揃っていると清水さんは感じていて、特に桜のシーズンには多くの利用を期待しています。一方、貸し出し開始から約半年が経ちますが、自転車を借りた人はまだ数人です。
清水さんは事態の打開を図ろうと、加古川線沿線の2つの自治会と合同の協議会を結成。この日の会議では、議題の1つとして、苦戦しているレンタサイクルの改善案が話し合われました。
(清水邦泰さん)「サイクリングは去年企画倒れに終わっていますので、今年本格的にやっていこうかなと」
ここで他のメンバーから提案が出されました。
(協議会のメンバー)「(例えば)黒田庄の自治会館で借りて黒田庄で返すとなると非効率なので、比延・久下の自治会館で乗り捨てしてもらうと」
現状は、レンタサイクルで観光をした後、自転車は借りた自治会に返さなければいけません。それが原因で利用客数が伸びていないとして、3つの自治会のどこでも返却できるように協力しようというのです。
(清水邦泰さん)「万博にあわせて、加古川線増便も言われている。できるだけ早く取りかかったほうがいいと思う」