人口減少や地方の過疎化などの影響で各地に存在する“赤字ローカル線”。兵庫県を南北に走るJR加古川線は一部区間が赤字となっています。地元の自治振興会は存続させようと奮闘。沿線地域を盛り上げるため、地元住民を巻き込んだイベントを開催しました。
「廃線になったら困る」利用客は約35年で4分の1に
JR加古川線は加古川駅から丹波市の谷川駅までを結ぶ路線で、そのうち『西脇市駅~谷川駅』は1両編成で運行しています。この区間は利用客が年々減少していて、1kmあたりの1日の平均利用者数(輸送密度)は、国鉄から民営化された1987年以降、4分の1にまで落ち込みました(1987年度:1131人→2023年度:275人)。収支は3年平均(2021年度~2023年度)で2.5億円の赤字です。
(乗客)
「病院に行くために乗っている。車を持っていないので、ありがたく使わせてもらっています」
「職場まで通勤で使っています。景色もいいですし、毎日乗っていても好きな電車です。廃線になったら困るというのはすごく感じています」
そんな中、今年2月、JR西日本は“ある発表”をしました。
(JR西日本 長谷川一明社長)「今年は万博があります。多くの方が関西に一番お越しになる時に、どれくらいの潜在能力を発揮できるのか」
4月13日に開幕の大阪・関西万博。博覧会協会は延べ約1200万人が近畿以外から来場すると見込んでいます。JR西日本はそのタイミングで西脇市駅~谷川駅の列車を1日に上下2本ずつ増発するほか、谷川駅で福知山線の特急列車の一部を停車させるなどの実証実験を行うと決めました。
(JR西日本 長谷川一明社長)「私たちの最大の努力は増便するということ。観光でお客さんを呼び込むことが重要なので、その辺については地元の相当な努力が必要ではないかと」
一方で、利用の増加に向けた勢いが認められない場合には、今後のあり方について議論を開始する方針です。