「ジェネリック無印良品」も登場

野村:
そうすると、ドン・キホーテのジェネリック香水やジェネリックコスメという例を挙げていただきましたが、美容の分野以外にも似たケースはありますか。

comugi:
代表的なものは日用品
です。そのなかで、若者の間で「ジェネリック無印良品」が浸透しています。

今や無印良品はブランド化しており、無印良品よりも安く、品質が遜色ないとして、100円ショップのダイソーのブランドの「Standard Products」が「ジェネリック無印良品」と呼ばれています。この「Standard Products」は価格が100円均一じゃないブランドで最近ダイソーが力を入れています。

野村:
面白いですね。

comugi:
取り扱っているのは文具などの日常品です。3COINSもそうですが、ディスカウントショップのなかでは価格が比較的高いものでも、質が良ければ買うという価値観が醸成されてきた中で、無印のジェネリックとして一般的に若い人を中心に買われている状況です。

野村:
そういうことですね。思い返すと、無印良品はもともとブランドのカウンターとして出てきた総合ブランドですよね。

comugi:
そうです。無印良品は1980年代のバブル最盛期の消費カルチャーを牽引していた、西武グループの西友のプライベートブランドから発展したブランドです。当時はブランドに対するアンチテーゼを作ろうとするなかで、糸井重里さんが西武百貨店のコンセプトを作りました。それが「おいしい生活」です。

野村:
超有名なキャッチコピーですね。

comugi:
そんな西武のグループの西友からのプライベートブランドで、安くて高品質を売りにしていたブランドが無印良品だったわけです。それが今の若者にとっては、ちょっと値段が高いというイメージになったことが、ちょっと興味深いですよね

野村:
そうですよね。無印もついにジェネリックの対象になったか、と。

comugi:
無印商品の主軸商品は化粧品です。デパコスに対して無印は低価格ですが、さらにその無印がやっている日用品を低価格で高品質で勝負するダイソーのStandard Products。この図式は今までのブランドからしたら脅威そのものです

野村:
そうですね。また時が経てばダイソーのStandard Productsもジェネリックの対象になっていくかもしれませんね。