“退任”日枝氏に「もっと言っておけば…」

日枝氏は、1988年に社長、2001年には会長に就任するなど、フジテレビの黄金時代を作り上げた人物。20年前、ライブドア事件のときには、連日、自宅前で取材に応じていました。

日枝久 会長(当時) 2005年3月
「テレビが10年後になくなってインターネットに全部なる、これは絶対ない」

ただ、今回の一連の騒動では一度も取材に応じていません。

記者
「日枝氏が今後、カメラの前で喋る予定は」

フジ・メディアHD 金光修 社長
「それは我々が決めることではない。本人がそういう意思を持たれたらそういう場を設けるし、そうでなければ設けない」

記者
「日枝氏の体制下で、どんな点が反省点で、何を変えていかなければいけないか」

フジ・メディアHD 金光修 社長
「私は日枝さんに言われたことで、違うことは違う、そうじゃないものはそうじゃないと比較的言ってきたほう。それに対して答えてもくれるし、頭ごなしに『こうしろ』と指導の仕方をする人ではない。人間には慮るというとても良いところがある。忖度することは悪いことではないから、慮る気持ちがより強くなるメカニズムが長くいるとできあがってしまうのかな。みんなももっと(日枝氏に)言っておけば良かったねという感じ」

今回の経営陣の大幅な刷新について、フジテレビで働く人は。

フジテレビで働く制作会社スタッフ
「びっくりしたけど、こうなってしまった以上、チャンスと捉えるしかない。視聴者の信頼を取り戻すのもすごく時間がかかると思うけど、もちろん、応援してくださっている方も中にはいらっしゃるので、その方のためにも今、大きく変わるチャンス。前向きに頑張るしかないんじゃないか」

「メディア、フジテレビがどう変わっていくのか」注視しなければ

小川彩佳キャスター:
このタイミングでの日枝氏の退任が発表されましたけれども、井沢さんはどんなふうに感じましたか?

株式会社 QuizKnock CEO 伊沢拓司さん:
日枝さんの去就というのは一歩前進というふうには見えるとは思うんですけど、ここばかりに焦点が当たってしまうというのもまた違うというか、問題が見えづらくなるのかなと思います。

そもそも憶測で語るしかないことの多い問題だっただけに、辞める・辞めないという2択はわかりやすかったので、メディアでは取り上げられやすかったですけど、より語るべきは、どうメディアが変わっていくのか、フジテレビが変わっていくのかという、コンプライアンスだったり、その中身の部分ですよね。

なので、この出来事で幕引きになってしまうのは一番間違っていて、なかなか新しい出来事が起こりづらい問題に今後なっていく中で、どう定期的に我々がそれを確認していくのか、どう変わったのかというのは常に注視しなければいけない問題だなと思います。

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<プロフィール>
伊沢拓司さん
株式会社QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中