長年、取締役を務めてきた日枝久相談役の退任が発表されました。親会社の金光社長は、強い影響力を持つとされる日枝氏に対し、「みんなもっと言っておけばよかった」と後悔の言葉を口にしました。

「コロナみたい」仕事減で不安感も

渦中のフジテレビ社内で働く人たちは、厳しい状況に置かれています。

フジテレビで働く制作会社スタッフ
「周りの人に『どこで働いているの?』って言われたときに『フジテレビで働いているよ』ってなったら、最近では『大丈夫なの?』とか、良い印象は持たれていない。諦めないで、ちょっとでも信頼を取り戻していくしかない」
「(新型)コロナみたいな、どうなっちゃうんだろうっていうのはある。いつ終わるかわからない不安みたいなのはあります。仕事が減ったりはしたんで、上の人が変わるっていうのは、わかりやすく会社が変わっている感じがするんで、良いんじゃないか」

中居正広さんの女性トラブルへの対応などをめぐり、CM放映の見合わせが続くなど、2月の放送収入が9割減少したフジテレビ。27日、経営陣の刷新を発表しました。

フジ・メディアHD 金光修 社長
「新体制は、役員数を減らし、コンパクトにし、平均年齢を若くし、新たなフジ・メディア・ホールディングスおよびフジテレビへの第一歩を踏み出したと思っている」

“キー局最多”取締役を半分の10人に

もともと取締役が20人いたフジテレビ。今回、半分の10人に減らし、女性比率を3割以上とする新体制を発表しました。


企業ガバナンスの専門家は、そもそも取締役が多すぎたと指摘します。

青山学院大学 八田進二 名誉教授
「こんな大人数で重要な案件を熟議する、討議することはありえない。経営の監視監督に対するスピード感がゆるいということ。それと、やはり、無責任体制になる可能性がある。人任せになって、1人ぐらい欠席しても目立たないから。スリム化していかなきゃいけない。取締役はMAX10名だと思う」

民放キー局で取締役の人数を比べると、フジテレビが最多でしたが、今回の刷新で最少となりました。

取締役の平均年齢も67歳から59歳に、8歳の若返りとなったフジテレビ。報道陣から質問が相次いだのが、41年間取締役を務めた日枝久相談役の退任についてです。

記者
「(日枝氏の)影響力残らないのか、院政のような形にならないのか」

フジテレビ 清水賢治 社長
「今回の人事も(日枝氏の)影響力は全くない陣容を発表できたと思う。当然ながら、取締役会における発言はなくなる」