「スケッター」の背景には「人手不足」が…

スケッターとは、ボランティアと介護施設のマッチングサービスです。ボランティアをしたい人=スケッターさんと、掃除や食事の配膳など介護以外の「お手伝い」を求める介護施設をつなぐサービスで、資格や経験がなくても介護・福祉に関わることができるのが特長です。

いま介護の現場で深刻化しているのが「人手不足」。第1次ベビーブームに生まれた「団塊の世代」全員が75歳以上の後期高齢者になり、社会への影響が大きくなる今年は、「2025年問題」とも呼ばれます。後期高齢者の数は、今年2100万人を上回る見通しで、5人に1人が後期高齢者となる計算です。

高齢者の増加とともに介護職員が不足することが予想される中、期待されているのが「スケッター」事業。2月からスケッターを導入したこの施設も手ごたえを感じています。

特別養護老人ホーム百合ヶ丘苑 戸田恵司さん:
「業務の切り分けというところで、本当にわたしたち介護職員が必要なのは、介護職員が担う、そのほかの部分をスケッターがもし来ていただけるならやってもらえれば、非常に助かるなという思いで」

70人ほどの入居者がいるこちらの施設では、平日の5日間スケッターに掃除などを依頼しています。

特別養護老人ホーム百合ヶ丘苑 戸田恵司さん:
「一緒に働いている職員の声を聞いても『非常に助かる』という話もあるし、我々で担っていたリネン交換とかをしていただけるぶん、ほかのことに介護の手を回せるというのがすごくありがたく助かっている」

介護を必要とする人がさらに増えると予想されるなか、厚生労働省の試算では介護職員の数が2040年度には、約57万人不足すると見込まれていて、介護職員の処遇改善や多様な人材の確保、育成が急務となっています。