大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」

まもなく開催を迎える大阪・関西万博。

その象徴が「大屋根リング」。円周2キロに達する世界最大の木造建築物で、夜間ライトアップされると、幻想的な「光の輪」が浮かび上がります。

iPS細胞から作った心臓や、アンドロイドなどの先端技術も披露されます。

今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。

このテーマについて、万博の歴史に詳しい専門家は...

大阪国際大学(博物館学)・五月女賢司 准教授
「それぞれの時代の技術革新や社会的トレンドを反映しているのが万博なので、時代が変われば万博も変わる。(今回のテーマ)“いのち”というのは珍しい。2025年ならではの“今”というものを見せようと努力する万博になっている」

実際今回の万博では、改めて「いのち」の尊さを考えさせる展示も…

東京大学大学院 渡邉英徳 教授
「万博の会場で展示するためにまとめ直したものです」

ドローンや住民が撮影した膨大な映像データを取り込んで制作した、「戦地」の3D画像。

創設80年を迎える国連のパビリオンでは今回、ウクライナやガザの“いま”を仮想現実=VRで体験できる試みが、8月に一時展示として企画されています。

膳場貴子キャスター
「すごくリアルに感じられる。自分たちの地続きの先でこういうことがあるのを実感する」

万博でこのような展示を行うことについて渡邉教授は…

東京大学大学院 渡邉英徳 教授
「僕らの足元を見てみると世界中ではいろんな災いが多発している。戦争も自然災害もたくさん起きている。そういうところも踏まえた上で万博に行ったことが長く記憶に残る世代。これを見た子どもたちは、将来戦争の起きる社会にしたいとは思わないはず。裏打ちされているのは、最新のテクノロジー。平和のための技術利用というコンセプトも示せるといいかな」

今回の万博は、どんな記憶を人々の心に残すのでしょうか。