農水大臣「コメはある」は本当か?「価格上昇は我慢して、後継者を増やさないと」

藤森祥平キャスター:
主食米については需要量も生産量も右肩下がりになっており、2023年は猛暑で生産量が661万トンと落ち込みました。一方、需要量が705万トンと購入する側が40万トン以上も上回っていて、コメ不足が指摘されています。

小川彩佳キャスター:
藻谷さんは「農業経営」の講演を行っているということですが、コメ不足には構造的な問題があると感じているそうですね。

日本総研主席研究員 藻谷浩介さん:
2月に、あるコメ処の県で農業関係者に講演をしたら、実感として生産量が落ちている、つまり誰かが隠しているというよりも、「そもそも生産が減っているので値上がりしているんだ」と、県の関係者や農家は口々に言っていました。

藤森キャスター:
しかし、江藤農水大臣は「コメはある」と言っています。

news23ジャーナリスト片山記者は、▼コメが足りていないというと国民は不安になり、買い占めが起きるおそれがある、▼今でも続いている事実上の減反政策の失敗を、国が認めることになるため、「コメはある」と言い張っているのではないかとしています。

日本総研主席研究員 藻谷さん:
そもそも、日本のコメ農家の平均年齢は70歳に近いです。そして、採算がとれず、ほとんど儲からない、農機具も高いということで後継者がいません。

団塊の世代を中心にどんどん退職していくと、今まで自分で作っていた分を今度は買うようになりますから、需要は増えるけれども生産は落ちるという、まさにグラフ通りのようなことが起きます。

それを放置してきたことの責任を認めず「誰かが買い占めている」と政府が言ってしまうのはいけません。言ってしまって、引っ込みがつかなくなっているのだと思います。

「実はなかった」と素直に誤りを認め、生産者の後を誰かが継げるだけ、コメの値段を上げていかなければいけないということに気が付かなくてはいけないと思います。

藤森キャスター:
今後、どうすべきでしょうか。

日本総研主席研究員 藻谷さん:
価格が上がって困るといいますが、パンや麦、野菜に比べて非常に安いです。

今、日本の農業生産約9兆円のうち、米は6分の1以下になっています。もう少しコメの値段が上がらないと、生産者は増えません。ある程度、価格が上がるのを我慢して、後継者を増やして効率を上げていくという方向に舵を切らなくてはいけないと思います。

そうでないと、食料安全保障ができなくなりコメも全部輸入品になってしまいます。そうなると、いよいよ日本の将来は危うくなっていくと思います。