「見直したのが良かった」園児たちを救った“避難マニュアル”
なぜ子どもたちの命を救えたのか。
実は震災の前の年まで、閖上保育所の避難マニュアルは近くのアパートを津波の避難先としていました。

閖上保育所 元所長 佐竹さん
「避難していくアパートは(階段の)間口が狭い。一斉に子どもたちが上がれないこともあって、怖いねって話になった。毎月、避難訓練をやっている中で反省をしながら、職員と、どの道路を避難したらいいだろう、どこが安全だろうという確認をして、マニュアルの見直しをしたのが一番良かったのかなと思います」
東日本大震災の保育施設の対応について分析した専門家は、「施設によって対策が異なる。それぞれの実情を踏まえて自ら考えてほしい」と話します。

愛知県立大 清水宣明 教授
「助かった方法が正しいとは限らない。大事なことは、その時どんなことが自分に起こるのかなというのを具体的に、小さいことを含めて全部挙げてみる。問題が分かれば、99%は自分たちで解決できます。保育施設には“災害弱者”がいる。保育園の対策ができれば、そういう方々の対策は全てできる」

閖上保育所 元所長 佐竹さん
「『偶然で奇跡は起きない』というお話をさせていただいていますが、自分ごととして、先生たちが考えて動かなきゃいけない。人が作ったフォーマットに責任はない。実際の現場での責任はあなた方ですよって」
「偶然で奇跡は起きない」。佐竹さんは備えの大切さを訴え続けています。