「財務省解体デモ」に遭遇したという野田氏。「財務省の中には電話もかかってきていて『やってられないよ』とのぼやきも聞こえる」とか。そして、今回の予算案については「中身はバラバラで、不満があちこち出てくる」とし、高校無償化も「いずれ見直さざるを得ない」とバッサリ。「税と社会保障との一体改革」の「野田案」を打ち出すとともに、政治が前面に出て危機を抜け出すべきだと熱く語ります。(聞き手:TBSテレビ政治担当解説委員 石塚博久)

減税主張し“財務省解体デモ” 「決めるのは全て政治、財務省ではない」
ーー財務省前での1000人規模のデモが話題になり、国会でも取り上げられました。石破総理は「国民の不満や怒りが体現されていることは等閑視(無視や軽視)すべきではない」と。
野田毅 元自民党税調会長:
総理がお話しになったように物価が大変上がってますよね。非常に生活が圧迫されているという危機感が背景にあると。ただ、デモする対象先が違うんじゃないかと。財務省に行ってなんかなるんですかと。ちょうどデモの前を通ったんですよ。「財務省解体」とか「消費税減税」とか「なくせ」とかいろんなプラカードを掲げてるのを。いずれにしてもそれを決めるのは財務省じゃないですよね。不満のはけ口に財務省を選んだのかもしれんけど、ちょっとどうにかなるような話では全くないんで。そういう点ではちょっと財務省の皆さんはお気の毒ねと。
決めるのは財務省じゃない。全ては財源ですよね。結局、財源があるのに財務省がケチって我々のことを邪魔してるような、まるでそういうものの言い方がずっとSNSやいろんなところで流れてると。
それから財務省解体論を売りにする人たちもいるんじゃないかという話もあるんだけどね。それはともかくそういう声があることは真摯に受け止めて。大事なのはやっぱり恒久的な安定財源をどうするかということ。ざっくばらんに言うと、今消費税を上げるとか下げるとかそんな経済環境には全くないということは事実だから。デモした結果なんかなるかというと、なかなか現実には動かない。
ーー財務省の中でもデモは聞こえるかと。
野田毅 元税調会長:
いや、辛いでしょうね。やっぱりそういう映像が流されたり、SNSや電話でも相当個人のものにまで集中的に攻撃的なそういうのが入ってくるんですね。だからそういう話を聞くとね、「やってられないよ」というぼやきも聞こえるわけだけど。実際は役所が決めることではなくて、これは全て政治の世界で決める話だ。政治が少数与党ということになって、野党それぞれの思惑でみんな喋ってますから、その反映だとは思いますけど。