有害性が指摘される化学物質、PFASについて、市民団体が岩国基地周辺の調査と汚染源の特定を山口県に求めました。

PFASは、発がん性など、人体や環境への有害性が指摘される化学物質です。

市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」は、このPFASについて、岩国基地近くの遊水池で、独自の調査をしたところ、暫定指針値の3.5倍が検出されたということです。

PFASはかつてアメリカ軍の基地で泡消火剤やエンジン洗浄に使用されていました。

調査結果などから、岩国基地が汚染源の可能性があるとして岩国基地に隣接する水路や遊水池で調査することや汚染源の特定を目指すことなどを県に求めました。

県は、県民の関心や不安が高まっているとして、来年度、調査を実施する予定です。

一方で、水路や遊水池は調査対象ではなく、調査目的は「存在状況を把握し、県民の安心安全を確保すること」で排出源の特定を目的とする調査は考えていないと答えました。

瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク・久米慶典・共同代表
「安心安全を本当に実現するというのであれば、汚染源を特定してそれに対応する、それが当然だと思います。それがきちんとした答えが出ないというのは、山口県は本当にやる気があるのかと感じざるを得ないです」

来年度の調査は、県内およそ60地点で行われる予定ですが、市民団体は「広い県内で極めて不十分」としています。