「秘密を公に暴露したからダメ、とは言えない」

―――立花氏に情報を渡して発信をお願いしていますが、維新の議員が自党の発信力を使うのではなく、違う政治団体に情報を渡したこと自体、橋下氏はどうみていますか?

 橋下徹氏「法的な因果関係はわかりませんが、竹内元県議は、誹謗中傷を受けたあとに亡くなられたんです。真偽不明の怪文書を出して立花さんに渡して立花さんがSNS等で拡散して、竹内さんの方に誹謗中傷が向いて竹内さんが耐えられなくなったと。法的な因果関係は別としても社会的な因果関係っていうのは、これは完全に否定はできないと思う。この怪文書を拡散させたというのは、かなり悪質極まりない。重いです。そこにもうひとつ加えて、やるんだったら岸口さん自分の名前で堂々とやらないと。自分の名前でYouTubeに出して言わなきゃいけないのに、本人は名前隠して、立花さんの名前で拡散してもらったっていうのは、それはちょっと議員というか、人としてどうなんだって僕は思いますけどね」
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―――文書には“黒幕”の名前としてその竹内県議や元県民局長のプライバシーに関わるような情報も書かれています。また、増山県議が立花氏に渡した録音データ内で触れられている元県民局長の私的情報については確たる証拠はないが、可能性はある、という言い方をしているものを渡している。“真偽不明の情報”を渡すことはどう思いますか?

 橋下徹氏「秘密にしてるものを公に暴露したからダメ、とは言えないです。報道というものは秘密になってるものも報じています。典型例は捜査情報。捜査で『関係者によると』と容疑者の取り調べ状況とかが出てきますけど、普通は出てこない話を一生懸命報道機関が取材をして、報じているので、秘密だから報じたらだめ、となったら成り立たない」

 「だから秘密だからどうの、じゃなくて、それ以上に影響がある誹謗中傷に直結する、公共性・公益性じゃなくて、『公にするようなことじゃないプライバシーに関わるようなことでは?』というところが問題。確たる証拠はない秘密だからだめというよりも、裏取りが不十分だったということ。ここは地上波の役割で、ここをやっぱ確認するわけでしょ。ただ今回、県議たちは選挙を有利にしようと思って出したからそれは報道機関と違うわけです。公共性・公益性を見て、広くみんなの利益になるために、ということで秘密も明らかにしていくけど、今回、自分たちの利益のために(情報を)出したってのは、これもだめですよね」

 「あとやっぱりこの確たる証拠がないという裏取りの部分。やっぱここ(確たる証拠はない)を地上波は控えてたっていうところあるんだけど、ただ控えすぎだったんだよね。僕、兵庫県知事選で本当に痛感したのは、隠してるっていうことに関しては、もう国民の皆さんものすごい敏感。あのときは立花さんがどう信用されてるかということよりも、地上波も含めて隠してるじゃないかと。隠してることを暴いてくれた、というところに一気にみんながそこを信用した。これは地上波側の方の責任もあると思います」