「農協より高い金額で買う」買付け業者の出現
一体なぜ、仕入れ値がそれほどまでに上がり続けているのか。
愛知県安城市の農家を訪ねました。
(農家 稲垣巨樹さん)
「経営面積は、稲を30ヘクタールぐらい、麦・大豆を35ヘクタールぐらいやっています」

65ヘクタールの農地を持つ稲垣さん。
去年の収穫が終わった後、これまでなかった動きが起きたといいます。
(農家 稲垣巨樹さん)
「いままで付き合いがない業者などから問い合わせがあった。『このぐらいの値段で買うけどどう?』という話は色んなところで聞きました」

(大石)
「いままで取引がなかった業者からですか?」
(農家 稲垣巨樹さん)
「はい」
(大石)
「その業者はどんな提示をしてきた?」
(農家 稲垣巨樹さん)
「“農協の仮渡し金”よりも少し高い金額を提示してきました」
農協の仮渡し金とはJAがコメを卸してくれる農家に支払う一時金。
しかし新規の買い付け業者は、この仮渡し金よりも遥かに高い買い取り金額を提示してきたと言います。
(農家 稲垣巨樹さん)
「知らない業者に売っても、どう流れていくのか、どこに売られていくのかが見えなかった。私も『地元のコメは地元の人に食べてほしい』と思っているので、JAに出荷しました」

(大石)
「普通の農家さんは高く買ってくれる業者に売ってしまう?」
(農家 稲垣巨樹さん)
「(そのような農家は)増えたと思います」
稲垣さんはJAへの全量の出荷が決まっていたため新規業者には売りませんでしたが、周辺の農家には売ったところもありました。米の高値を期待する買い付け業者の買い占めが、高値につながっていると国は見ています。

(江藤拓 農林水産大臣)
「流通がスタック(滞留)していて、消費者の方々に高い値段でしか提供できていない。流通に問題がある」