「政府の説明」と「現場の実態」との“ずれ”

農水大臣が「コメはある」と豪語していましたが、そもそもコメがそこまでなかったとしたら…。本音としては、稲作を減らす減反政策を止めたものの、生産調整という名の減反によるコメ不足の批判を避けたいのでしょうか。

関係者らは「備蓄米は原則1年以内に買い戻すルールがあるため、単なる消費の先食いだ」と、さほど大きな効果は見込めないと予測しています。江藤大臣は、この1年ルールにこだわらないと会見で話しましたが、買い戻すタイミング次第では必要とされる金額も変わってくるだけに注目が集まります。

コストが急上昇し、数年前の米価では経営が成り立たなかった農家は「この米価なら正直助かる」と本音をもらす一方、これ以上高くなると「コメ離れが起きるのでは」と不安を隠せませんでした。農家や消費者などが納得できるような価格で落ち着くのか、令和の米騒動は次のステージへと入りました。

CBCテレビ 解説委員 大石邦彦