昨年まで運河担当大臣のロヨ氏「中国は運河を支配していない」

パナマ運河が開通したのは、今から100年以上前の1914年。その直前のパナマのコロンビアからの独立と、運河開通を支援したのがアメリカでした。

アメリカは運河の管理権と運河周辺の主権を握ります。一方、パナマ側には当初から不満が溜まり、反米感情の高まりとともに、暴動が度々発生。

ついに1977年に就任したアメリカのカーター大統領が運河の返還に向けた条約に署名し、1999年にパナマに返還されたのです。

パナマの元大統領で、条約の署名にパナマ側で携わったロヨ氏は…

パナマ元大統領 アリスティデス・ロヨ氏
「パナマが運河を管理しています。アメリカは1999年12月31日に運河を返還しました。その際、カーター元米大統領は、当時のモスコソ元パナマ大統領に『運河はあなたのものです』と英語で伝えました。個人ではなく、パナマ共和国に属するものだという意味です。アメリカはその点を尊重しています。

アメリカとパナマの友好関係はそれ以来非常に良好でしたが、トランプ大統領はいま『運河を取り戻す』と言っていて、懸念が広がっています。アメリカが運河奪還のために軍事行動を起こさないよう私たちは心から望んでいます」

ロヨ氏は去年まで運河担当大臣を務めました。トランプ大統領の中国が運河を支配しているという主張については…

パナマ元大統領 アリスティデス・ロヨ氏
「トランプ大統領の発言は全く正しくありません。中国は運河を支配してなどいないからです。ハッチソン社はイギリス領香港時代に2つの港を落札しました。1997年はまだアメリカが運河を管理していた最中です。

そして、非常に優れた業績を残しました。中国の影響は一つもありません。非常にプロフェッショナルな仕事を行っています」