テニスコートで軽快な打球音が響かせるのは、広島市にある安田女子大学4年生の倉本莉々子さんです。見ただけでは普通のテニスプレイヤーですが、莉々子さんは、生まれつき難聴を患っています。彼女の人生を変えたのは「テニス」との出会いでした。「やれば出来る」。聴覚障害を持つ人たちによるテニス「デフテニス」の全国大会で2度の優勝に輝くアスリートに成長した莉々子さん。同じような障がいを持つ子どもたちに伝えたい思いとは─。
倉本莉々子さん
「最初は全く聞こえないこともあったので、『口話』という口の動きと音を同時に聞き取ってコミュニケーションをとっていまして」
厚生労働省によると、いま、国民全体の10%にあたる約1,430万人が発症しているとされる「難聴」。難聴を発症する原因やタイミングは人ぞれぞれで、生まれつきの人もいれば、大人になって症状があらわれる人もいます。

莉々子さんは、生まれつき難聴を抱えています。
現在は両耳に人工内耳を埋め込み、静かな場所でならある程度会話ができる莉々子さんですが、人工内耳なしの聴力レベルは、飛行機の通過音が聞こえない120デシベル相当で障がい者手帳2級。重度の難聴に当てはまります。