一向に下がらないコメの値段。政府は備蓄米の放出を決定しましたが、狙い通りに進むのでしょうか?農家や消費者にとって本当に良い政策とは何か。コメ政策に詳しい宇都宮大学の小川真如助教に取材した内容を含めてまとめました。

一向に安くならないコメの謎

 去年夏、店頭からコメが消える”令和のコメ騒動”が発生。政府は当初、新米が流通すれば価格は落ち着くという見通しを示していましたが、新米が出回ったあとも価格高騰は続いていて、その額は1年で約1.7倍となっています。

 街の人も…
 「国内のコメが高すぎて海外のほうが安い」
 「めっちゃ高い。パンで補ったりとかしている。 困ります」
 「どうしてこんなにコメがないんやろうって」

 モノの値段は、需要と供給のバランスで決まりますが、コメの場合はどうでしょうか?値段が上がるということは、『需要=買いたい人』は増えているのに『供給=売りたい人』は減っているということです。その要因を整理してみていきます。

 【需要=買いたい人】
 ・インバウンドの和食人気
 ・おにぎりブーム
 ・物価高で小麦などの値段が上がりコメに
 ・万博で人が多く来そうという予測から

 【供給=売りたい人】
 ・酷暑による不作
 ・生産調整による収穫減
 ・業者の出し渋り?