授業は週1回、1時間半。できる自信を身に付けさせるため、まずは小学校低学年レベルの計算から始める。少年たちは目の前のプリントを自分のペースで解いていくが、ひと桁台の足し算でも手が止まったり、間違えたりする少年の姿が目立つ。
それでも講師の指導を受けながら基礎学力を学んでいくと、半年後にはほとんどの少年が分数の計算まではできるようになるという。

(少年)「僕、結構暗算得意なんですけど、ミスったんで、次から見直したいなと」
(少年)「難しかったです、でも楽しかったです」

公文の担当者も、少年たちの「できたことの」経験不足を感じるという。簡単な問題を解くことから学習の土台を作る。

「自己肯定感が低かったり、自分に自信がなかったりする子たちは、やることから逃げる選択をしてしまいますが、簡単な計算から始めることで自信も湧く。前向きな気持ちが育まれているなと感じます。」

■母親の手紙にホッとした 非行少年、涙の決意

加古川学園では月に一度、出院を間近に控えた少年たちが家族や法務教官を前に、出院後の決意表明をする取り組みを行っている。「リスタート宣言」だ。今回、参加した少年は9人。それぞれが少年院に来て学んだことや、出院後の意気込みなどを力強く語った。

そして最後に発表したのが、彼女の首を絞め、傷害の罪で収容された17歳の少年だ。教室の奥では母親が椅子に座り、じっと見つめている。少年は緊張した面持ちで話し始めた。