
(少年が書いた日記)「前向きに生活していますがどうしたらいいのかわかりません。助けの求め方がわからないです。」
こうした少年たちの指導にあたるのが法務教官だ。この日、担任の法務教官による個別面接が行われた。

(少年)「たまに自分が分からなくなりますね。真面目にしたいのか、悪い道に進みたいのか。不安になってくるんですね、考えただけで。」
(教官)「でも不安を感じるっていいことだよ。」
(少年)「そうなんですか?」
(教官)「ちゃんとやらなきゃいけないって気持ちがあるからでしょ、自分を何とかしようという気持ちが心にあるから、だからいいんや、不安って」
少年院に入る少年たちは家庭環境に恵まれず、幼い頃の辛い経験から心に傷を抱え、非行に走っているケースが多い。まずは彼らの気持ちを理解してあげることが大事だと法務教官は話す。
(少年の担任教官)「ちょっとずつほぐしていかないと彼らは自分と向き合うことができません。心から愛された経験がないから、そこが人間関係の難しさを生む要因になっていると思います。まずはいろいろ話をしながら弱音を吐き出せるようになればいいなと、6割7割引き出せたら成功に繋がると思います。」
■「できた」の経験を 少年院のプログラム
国内最大の少年院、加古川学園(兵庫県加古川市)では境界知能といわれる少年が8割近くを占める。
勉強につまづき、非行に走ってきた少年たちに向けて2年前から導入しているプログラムがある。「公文」だ。
