■田中氏を待ち受けた最大の難関 “親台湾派”への説明 そして今、日本・中国・台湾の関係は…


大きな成果を得た田中総理だが、国内には最大の難関が控えていた。自民党内の親台湾派への説明だ。当時総理秘書官だった木内昭胤氏が、田中総理と一緒に日本に帰国すると…

木内昭胤 元秘書官
「橋本(登美三郎)幹事長(当時)がおろおろしながら『大変だ大変だ』と言うわけです。予想通り血気盛んな、青嵐会を担って立つ連中が、自民党本部でひしめいていると。田中総理は『俺はやるよ』と、ひとことを幹事長に言っておられましたよ」

日中国交正常化を果たした田中総理は中国から帰国後、自民党本部に直行し両院議員総会で経緯報告を行った。

田中角栄 総理(当時)
「私は最終的な決断を行うにあたっては、可能な限り最大の努力を傾けたつもりです」

渡辺美智雄 衆院議員(当時)
「台湾との関係についてはこれは断絶するということを言っておられるわけであります。憲法に規定が無いと言っても、こう簡単にできるものかどうか。今までのようなことを今後繰り返すということになれば、それは政府不信、党首不信、こういうようなことになることをおそれる」

田中角栄 総理(当時)
「誰がやっても困難な台湾問題とかそういう難しい問題は、自民党や政府がやり。いずれにしても日中の国交正常化は不可避だというのが私はおおよその世論だと思う。それが自由民主党の党議を決めた所以だと思います」

それから半世紀、日本と中国は関係を深めてきた。そして国交が絶たれた台湾とは、盛んな民間交流を続けている。

9月22日、日中国交正常化50周年を記念したイベントが都内で開催された。

田中元総理の長女・真紀子氏は、今の日中関係をこう表現した。

田中真紀子さん
「率直に申しまして現在、不幸なことに今は政府間の交流は滞っていると言わざるを得ません」

日本と中国、そして台湾。50年前に端を発したその微妙な関係は、今も続いている。