岡山県吉備中央町の浄水場で、PFAS=有機フッ素化合物が高い濃度で検出された問題をうけ、町が住民を対象に実施した血液検査についてです。
検査を受けた人の9割近くで、アメリカの学術機関が示す血中濃度の基準値を超えていたことがわかりました。
検査を受けた住民709人の集団データについて、山本町長が公表しました。

この問題はおととし(2023年)10月、円城浄水場で、発がん性が指摘されているPFASが高濃度で検出されていたことが発覚。
昨年、住民の希望をうけ、PFAS7種類について公費で検査を実施したものです。
その結果、血中濃度は最も高い人で1ミリリットルあたり、743.1ナノグラム。平均で、151.5ナノグラムでした。
日本では、国が定めたPFASの血中濃度の基準はありませんが、学術機関の米国アカデミーは1ミリリットルあたり20ナノグラムを超える人は、「健康に留意が必要」としていて今回の検査では、87.4%の人が20ナノグラム以上でした。
町は、現時点で濃度の高さと健康状態との関連について明確なものはなく、将来的な疾病の予測も難しいとしています。
(吉備中央町 山本雅則町長)
「このような結果が出て、対象者の人々は心配が大きいと思います。長期に渡ってしっかりとお支えし、寄り添って少しでも不安の解消に努めていこうと」
町によりますと、体内のPFASが半減するまでに2年~8年ほどかかるとされており、町は、5年後の再検査を予定しています。