加害企業は「約束できない」
油症に認定されればPCB混入油を販売した原因企業のカネミ倉庫から、医療費の支給が受けられます。

油症対策委員会の翌日25日に福岡市で開かれた被害者、国、原因企業による三者協議で、カネミ倉庫は昨年度、認定患者983人に対し総額9千700万円あまりの医療費を支払ったと報告しました。

カネミ倉庫は「少しでもできることがあるならやっていきたい」とする一方、今後次世代を救済する認定基準が作られ認定患者が大幅に増えた場合「必ず医療費を支払えるか約束できないことは伝えておかなければならない」と発言しました。
カネミ倉庫は社長と経理部長がそれぞれ身体的、精神的な病気のため今回の三者協議を欠席しており、加害企業の経営という厳しさに人手不足や資材高騰などの影響も加わった経営状態の厳しさも伺える三者協議となりました。
PCB製造企業は?
2012年に施行されたカネミ油症被害者の救済法では「原因事業者の事業の継続が困難となることが明らかとなった場合には必要な措置が講ぜられる」とされています。
年一回カネミ倉庫に立ち入り調査し医療費の支払い状況を含め帳簿を確認している農水省は「支払いが困難になる状況は認められない」としています。
一方被害者団体はカネミ倉庫の経営状態が悪化し医療費の支払いが滞る可能性について「不安でしかない」「一番大きな問題だ」としています。

カネミ倉庫や被害者団体はPCBを製造・販売した企業にも被害者救済の枠組みに入るよう求めていますが、話し合いも実現していません。