虐待を受けて危険な子どもを保護したり、保護した子どもを親元に帰す判断をしたりする児童相談所。子どもの命にもかかわる仕事ですが、全国で職員が疲弊し退職者が相次いでいます。子どもを守りさらに職員を守るには何が必要なのか。現場を取材しました。
『心配な物音がする』葛飾区児童相談所に通報

東京・葛飾区児童相談所。業務に支障が出ないよう、職員の顔を映さないことなどを条件に、開設後初めてメディアの取材に応じました。
「虐待の疑いがある」との情報が入ると、職員は48時間以内に子どもの安全を確認。危険と判断すれば、親から引き離し、子どもを守ります。

現場に向かうのはベテランの小林さん(仮名)と新人の杉本さん(仮名)です。
ベテラン職員 小林さん(仮名)
「『心配な物音がする』と通告があって、該当と思われる家庭にアポイント無しで、いきなり訪問します」
自転車で出発してから30分後、2人が帰ってきました。
ベテラン職員 小林さん(仮名)
「リスクはとても低いです。(物音は)生活音ではないかと判断しています。安全は確認できました。

新人職員 杉本さん(仮名)
「(Q.親に強めに言われることもある?)そうですね。『なんで来た』『お前らに何がわかる』と言われることもある」
問題は、虐待対応は毎年増えているのに、全国の児童相談所で職員が次々と辞めていることです。