同時に60~70ケース担当 元職員「常に仕事でいっぱいいっぱい」

今年度、国は初めて虐待対応を担う児童福祉司の退職者数を公表しました。昨年度職場を去ったのは全国で270人。年間採用者の40%以上にあたる人数です。

元児童相談所職員A
「『虐待の疑いがある』ということで、日々押し寄せる通告件数の多さが重荷になっていたかと思います。心身ともに疲弊してしまって退職を考えました」

ーー児童相談所で何年働いた?
「のべ5年間です」

ーーQ.何人を同時に担当?
「60~70ケースですかね。命に直結するようなケースが少なくなかったので常に気が張っていて、やらなければいけないことが浮かんで、即座にスケジュール手帳に追加して、仕事で“いっぱいいっぱい”でした」

ーーQ.手帳はどこに?
「枕元です。常に手帳を近くに置いてました。

(家庭)環境が改善されなかった時に、自分の無力さを感じて休日も起き上がれないような状況で退職を考えました。

自分の中で、辛いと思うことは何度もありましたけど、『周りも同じような思いをしている』と思うと、職場では(辛いと)言えないような感じでした」