「放課後カルテ」での「おまえ」という言い方
田幸 「放課後カルテ」(日テレ)は、子どもの病気や葛藤、学校でのトラブル、いろいろなものを描いて、よくできていました。何しろ保健室の先生を演じた松下洸平さんがうまい。一番の魅力は彼のお芝居だったと思います。
倉田 自分が小学生のときを思い出すと、保健室の先生は、優しく手当てしてくれたり、面倒を見てくれたりというイメージなんですが、松下さんが演じる先生はまったく違います。
子どもに対してすごくぶっきらぼうなんですが、やはり松下さんが上手なので、わざとらしく優しくするわけではないけれど、ちゃんと子どものことを考えていれば、それは伝わるという描き方、演じ方だと思いました。
影山 僕は、先生という立場の人間が児童に向かって「おまえ」と言うのが気になりました。ぞんざいで無愛想なキャラかもしれませんが、そういう部分が、「宙わたる教室」で令和の教師像としてすごくフィットしていた窪田先生と違う。もうちょっと表現の仕方はなかったかと、ちょっと残念でした。