高橋さんたちは、まず『のっぺ』の“実態調査”から始めました。
そもそも新潟の『のっぺ』とはどういうものなのか?

農水省が掲載しているその定義を見てみると、「汁物というより煮物」で「里芋を主材料とし、野菜やきのこなどを薄味で煮たものにとろみがついているもの」であると同時に、その家ごとに独自の味で工夫され、具材や作り方のほか食べ方も“バリエーション豊富”と解説されています。

例えば、12月に高橋さんが取材に訪れた柏崎市の笠島地区の「笠島のっぺ」の場合、ベースとなるのは煮干しのダシで煮たサトイモとジャガイモ。
さらにその中にそれぞれ別々に調理した食材を加えて煮込んでいき、仕上げとして煮つけたブリの身をほぐして入れた後、とろみをつけたら完成。
結構甘めの味付けが特徴です。

高橋さんはこれまでに、村上市や糸魚川市など、新潟県内10か所以上の現地調査を実施してきました。

「家庭によっても、地域によっても違う。大きく分類はできてもそれぞれ多彩…」

あわせて高橋さんは、主に新潟県内に住む40代以上の人たちを対象にアンケート調査も実施。入れる具材や、具材の切り方、ダシに何を使っているか…など、その質問は70項目にも上りました。
