6000人余りの犠牲者を出した阪神・淡路大震災から17日で30年。県内で活動しメディア出演も多い防災士の稲垣暁さんは、当時、神戸市で被災しました。その経験を沖縄の防災に生かすため、今、被災者の声を集めた証言集を作ろうとしています。

1995年1月17日。兵庫県淡路島北部を震源に発生した、阪神・淡路大震災。最大震度7の激しい揺れにより、多くの建物が倒壊し、大規模火災が発生。死者6000人余りの甚大な被害をもたらしました。

県内で活動する防災士の稲垣暁さんは兵庫県神戸市の出身で、34歳の時に阪神・淡路大震災を経験。17日は地元で行われた追悼式に参加しました。



▼防災士 稲垣暁さん
「5時46分ですね。阪神・淡路大震災が発生した時刻に大勢の人たちと一緒に手を合わせて。それから今、僕は生きることができたので。たまたま生きることができたのですが。それに対する感謝をしてきました」

当時、新聞記者だった稲垣さん。避難所や仮設住宅を回り、被災者に寄り添って話を聞き、その内容を書き留めました。

▼当時の取材メモ
「(独居生活で)全部1人でせなあかんから、役所や郵便局に行って、お医者さんにも行って、掃除や洗濯も自分の生活がそりゃあもう大変で…」

阪神・淡路大震災から17日で30年。稲垣さんは沖縄で震災の証言を集める活動を始めました。



▼防災士 稲垣暁さん
「阪神大震災を忘れないという言葉が出てくるけれども、忘れない・風化させないということよりも、災害の経験者が語る身近な事実を公益・公的な情報財産として、積み重ねたいと思っています」

去年4月、沖縄でも津波警報が発表されました。いつ起こるかわからない災害。稲垣さんは証言を集めて、沖縄の防災に生かしていきたいと考えています。

▼防災士 稲垣暁さん
「私たちが経験してきたことを、今一度行政に伝えたい。地域にも伝えたい。そして地域や行政の皆さんが自分事として、身近な被災者の声・体験をきちんと理解した上で、防災の施策や活動実践につなげてもらえればと考えています」

証言は阪神・淡路大震災に限らず、他の災害の経験、目撃談なども集めているということです。