「生きた花に触れよう」。SDGs=今考えなければならない未来

――続いてお話していただくテーマですが、大谷さん、何番でしょうか?

大谷美香氏:
はい。4番の「質の高い教育をみんなに」です。

――この実現に向けた提言をお願いします。

大谷美香氏:
「生きた花に触れよう」。今、時代的にデジタルは欠かせないと思うんですね。デジタルワールドだと私は思っているんです。小学校でも中学校でもデジタルに触れながら授業を受けていく。それはそれで欠かせないだろうし、それをしていかないともちろん駄目だと思っているんですけれども、それと同じぐらいの分量というか、質感で自然に触れ合うような、生きた花に触れ合うような教育をぜひ取り入れていってほしい。

私は触っているからわかるんですけれども、生きた花ってすごくエネルギーがあって、お部屋に一輪飾るだけでも、雰囲気をガラッと変えるぐらいのパワーがあると私は思っていますし、科学的にも証明されている。ところが、その自然の素晴らしさみたいなのが、デジタルに完全に負けてしまって。触らないとわからないんですよね、生きた花の良さって。一輪でもいいんです。牛乳瓶にでも生けるという、花を生ける行為って、もう今100人いたら100人がしない行為になってるんですよね。

少しでもいいので、そういった教育をしたいなって今思っていて、イベントなんかでは皆さんに生けていただくっていうことをやっています。私も生けます。他の部分、たくさんの部分を来場者の皆さんに生けていただくっていうようなイベントもたくさんやっているんです。

生きた花に触れて、その良さを感じてほしいと考える大谷氏は、会場を訪れた人と一緒に作品を作り上げるイベントを開催している。

大谷美香氏:
お花を生けるのは初めてっていう方がすごく多いんですよ。お花を手に取って生けるときに絶対笑顔になるんです。子どももおじいちゃんもおばあちゃんも、いかついおじさんでも笑顔になるんです。そういったパワーが花にはあるんだけれども、それが実際にやってみないと伝わらない。

――庭のアジサイが盛りでいい感じだと思っていると、妻が切ってしまって部屋に飾るんです。

大谷美香氏:
それは奥様がお部屋にも花をって思っていらっしゃるんですよね。自然を新たなアートに生まれ変わらせるのが生け花だというふうに私は信じているので、奥様が新しいアートに生まれ変わらせたアジサイなので、庭のアジサイと奥様が生けられたアジサイは違うアートですね。

――最後に、大谷さんが考えるSDGsとは何でしょうか?

大谷美香氏:
SDGsってやはり未来だなと思いました。今考えなければいけない未来。今まだ私達はギリギリこれで何とかなってるからっていうところもあるんですけれども、この先、自分たちの子ども、そのまた子どもっていうふうに世界はどんどん続いていくときに、今ここで踏ん張って私達が頑張ることが、この先にも地球は広がっていくというか、まだ歴史は続いていくっていうことを改めて感じたように思います。

(BS-TBS「Style2030賢者が映す未来」2025年1月12日放送より)