青森県五所川原市の官製談合事件で、前の副市長ら2人に有罪判決です。青森地裁は「談合の結果、税の無駄遣いを招き、市民の信頼が著しく損なわれ、厳しい非難が妥当」などと指摘し、2人に懲役1年6か月、執行猶予3年を言い渡しました。
判決によりますと五所川原市の前の副市長・一戸治孝被告(71)と元市職員・石井隆夫被告(70)は2021年に行われた市発注の工事の入札で、佐々木孝昌市長を応援した業者などで組織する団体「建設技術研究会」に所属する業者に落札させるため、事前に打ち合わせをして、設計額などを伝えました。
そして実際に、研究会に所属する業者に落札させて公正な入札を妨害した罪などに問われていました。
15日の判決公判で青森地裁の藏本匡成裁判官は「談合の結果、予定価格の95%~97%という高い率で落札されて、税の無駄遣いを招いた―。市の入札制度に対する職務の公正と市民の信頼が著しく損なわれ一戸被告に対しては厳しい非難が妥当」などと指摘しました。
その上で、「2人は事実を認めて反省の態度を示している」として、懲役1年6か月・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
一戸被告は判決を受けた後、「皆さんに心よりお詫び申し上げます」と話し、控訴はしない方針を示しました。
また、佐々木市長は「信頼を著しく損なう結果となったことに改めて深くお詫び申し上げます。この判決を重く受け止め、このような事件を二度と起こさないよう再発防止策を講じてまいります」とコメントを出しました。