2025年日経平均株価は?今年の「相場の格言」は?

2025年1月11日時点という、過去10回やった中で一番遅い「大予想会」の開催。既に1週間相場が開いている中での予想。まず「相場の格言」から見てみる。

井出氏の相場の格言は「辰巳天井」となっている。辰年の2024年は見事に株価が天井を突き抜けた歴史的な年だった。そして巳年の2025年も大きく期待できそうな年となっている。

過去の巳年を見ると、2013年は56.7%も上がった。アベノミクスの初動の年だった。89年の29%は文字通りバブルのピークをつけた年。それぐらいまで夢が実現するかどうかということだが、アナリスト各氏に「天井はどこまでいくのか」予想をグラフも含めて出してもらった。

――全員4万2000円で揃えてきた。この予想結果は初めてだ。黒瀬氏がいつも強気なのに、一番弱気だ。最高値でも4万2000円。つまり今年は抜けないということか。

りそなアセットマネジメント チーフ・マーケットストラテジスト 黒瀬浩一氏:
楽観で見ていいと思うが、慎重な面も持たないといけない。これは今年入って既に1週間がそうだが、ちょっとした材料で、ざっと1000円上がったり、急落したりということを繰り返すと思う。トランプ大統領になるとSNS1本(の発信)でも、急変することがあると思う。そういう投資家のその心理の萎縮を考えると、慎重な面は残した方がいいかというふうに思う。

――そうすると、天井は「辰巳天井」ではなく、辰で天井を付けてしまったということになる。最高値で見ると、一番強くて、高いところまで行くと思ってるのが山口氏。4万5000円ぐらいまでは考えてもいいのではないかということか。

SMBC信託銀行 投資調査部長 山口真弘氏:
実力ベースでいくと、年末4万2000円ぐらいだと思っている。ただ後半にかけてアメリカで減税効果が出てきて、一旦、上振れがあると思っている。ただその過程はかなり上下ボラティリティがあると思う。

――いつ上がって、下がってきたのかわからないぐらい変動率は大きそうだ。

――そして、証券最大手・野村証券の小髙氏の予想は、4万2000円で、最高値も4万4000円。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
穏当な株価上昇という感じだと。2010年以降の平均的な年間の日経平均株価の騰落が、大体プラスの10%ぐらい。2024年年末を大体4万円得と1割で4万4000円。最後は気が早いが、2026年の中間選挙を目指して政治的なアメリカの動きがいろいろ出てくるとなれば、少し最後下げてしまうのではないのかというような予想になっている。

――ピークは秋ぐらいではないかと。つまり、トランプ氏の政策がスタートダッシュで出て、その後はもう選挙を意識したスタック状態にアメリカが入るということか。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小髙貴久氏:
はい。そうです。

――そして、慎重な井出氏。安値は3万5000円ぐらいまで覚悟した方がいいというのと、最高値もほとんど2025年は抜けないかもしれないということか。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
年間の騰落率で言うと、一昨年2023年が28%、去年2024年が20%弱と、かなり勢いよく上がったが、今年2025年はいわゆる、いわば巡航速度に戻るかなと思っている。

というのも、去年、一昨年は日本株の出遅れというか、割安が見直されて、バフェット氏効果などもあって大きく上がったが、その時期は済んだ。今の日本株は決して割安というほどではないと思う。となると、ファンダメンタルズ通り、すなわち日本企業の業績が改善する分しか株価も上がらないだろう。おそらくそれは5%程度ではないかと見ている。だから2024年の年末がざっと4万円とすると、5%上がって4万2000円ぐらい。ただし、その過程では乱高下は激しいことが起こりうると思う。

――バブル崩壊後、ずっと割安に放置されてきた日本株が去年2024年に、とにかく見直されて、最高値を更新した。その後の成長のシナリオは必ずしもうまく描けてないという意味か。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏:
成長は成長だが、かなり緩やかな成長。例えば、日本企業もガバナンス改革や、東証の要請に応えるなど、いろいろな取り組みをしているが、まだまだスピード感としては相変わらず日本流というところは否めないので、アメリカのような急成長は期待しない方がいいのではないかと思っている。

――日本経済は、賃金と物価の好循環が実現するのではないかという期待があるのに、そんなに予想が控えめだというのが、好循環はうまくいっていないということなのか。

りそなアセットマネジメント チーフ・マーケットストラテジスト 黒瀬浩一氏:
端的にそう言っていいと思う。というのも、去年2024年は6、7月頃の定額減税から年末にも補正予算という政策効果で支えられてる部分が大きい。これを取っ払ったら自立的な成長はまだ難しい。まだ距離があると思う。

――去年は実質賃金がずっとマイナスが続いて、財布の紐が固くなって、景気が悪くなるという、そういう印象もあった。今年2025年は、それが達せられるかどうかは、大きな焦点だ。